投稿日：2024年11月24日(日)

絵本ソムリエのサンプルパパと絵本作家藤本ともひこが絵本愛を語るトークライブ開幕。
絵本って始まる前の見返しからドキドキしたり、こだわりの意外な描き込みにニンマリしたり、その着眼点だけでもう舌を巻いたり、実はぼくら読者が見逃していたり、気づいていない作者の企みがかなりあるってことを、絵本好きや絵本描きたいあなたも一緒に探りつつ楽しんでみませんか？

ぼく自身は大学時代に小石川図書館児童書のバイトで、古今東西の絵本を読むことで、絵本って面白いなと思ったのが始まりでした。そこから絵本に恋したのです。いろいろ読んでくると、絵本の面白いところって様々あることに気づいていきます。が。ぼくが面白いと思うところが、意外と世間の読者の皆さんがスルーしているということに、最近気づいたのです。絵本を描く身として、先人の絵本を読むことで学んできたことを自身の絵本に投入してみたりしても、やっぱりなかなか気づいてもらえなかったり。でも、そこんとこが面白いのに！ここをもっと楽しんでおくれよと思うわけです。絵本をポンと置いて、そこまで気づかないのは作者の腕が足りないからだよ。って終わってほしくない。そりゃそういうこともありますよ。でも、そこんとこに気づくと、そういう目で見ることができるようになって、もっと楽しくなるんじゃないかとも思うんです。だから、お節介ながらも、ちょっと背中を押して、絵本のそこんところを語ってしまおうと。そういうわけなのです。

近年、講談社絵本新人賞の選考委員や、すずき出版関連のこころの絵本大賞の審査。ニコモの絵本テキスト大賞の審査なんていうことをしています。これから絵本作家になりたい方たちの応援のつもりで取り組んできました。これからも、やらせていただきます。が。応募作品をみていて、先人の絵本のツボをもっと読んでみて欲しいなあとも、思っています。そこが分かると賞を取れるかどうかは、また別の話なのですが。ほぼほぼ自分の勘だけを頼りに描いている気配を感じます。もっと、たくさん絵本を読んで、もっといっぱい絵本を楽しんで欲しいのです。

今回。「そういえば絵本のそこんとこの話ってしたことないんだよな」と呟いたのを聞いたサンプルパパ（見本さん）が、あっという間に会場を手配し、お膳立てをしてくれました。絵本ソムリエを名乗る彼は、子育てで絵本に目覚め、どんどん絵本を読み、どんどん作家と繋がり、どんどん出版社とも繋がるという特技を持っています。まさにラジオのように語りたいこのトークライブの相棒にはぴったりの人です。

ここまで語っておいてなんですが、とはいえこの二人が語るのは広い絵本の世界のごく一部です。個人が読める絵本の数なんて、そんなもんですというくらい偏っています。偏っているけど無作為抽出的には、そこそこ語れるとも思っています。そんな絵本の探検旅のツアーに乗っかってもいいかなと思われたら、ぜひご参加ください。

どういう切り口で語るのかは旧ツイッターXでもつぶやきました。例えば「なかなか語られてこなかった絵本の本質を探るという実験を、リスペクト絵本で楽しくやってみたいのです。まずは個人的に掘ってみたいこと。見返しの愉しみ・のど問題・絵で語ることを文で言わないのが最善か・名台詞集・名場面集とかね」また「ぼくが好きなビジュアル面からの切り込みで絵本を読み込む。左右画面の使い分けや、効果的なフレーミング。映画的なカメラワークなど、その絵本作家の個性を画面から読み解くのはほんとに楽しいんだなあ」なんていうふうに紹介しました。お葉書コーナーもブックハウスカフェに設置して、取り上げて欲しい絵本や、ご質問、エールを頂ければと思っています。

ちなみにタイトルに「ラジオ」とありますが、放送するようなものではございません。あくまでトークライブです。実は絵本のことを話すのは自由ですが、画像は表紙を見せるのがせいぜいです。これは大人の事情ってやつです。でも、そこんところを、どうにか言語化してみようというのがこの企画なんです。ですから「ラジオ」なのです。でも、画像を想像しつつ、それは後で書棚で確認するっていうのが、なかなかにワクワクしませんか。しかも、会場は本屋なので買って帰ることも可能です。中身がなかなかみられない絵本の話なんて、ちょっと実は話す方としても楽しいわけです。もちろん見せていい絵本は惜しみなく見せます。ゲスト回は当然見せてくれるでしょう。サインもしてくれるでしょう。

では、当日お会いできるのを楽しみにしています。

第1回「いとしの絵本の底力」ON AIR
記念すべき初回は、パパとぼくそれぞれがリスペクトする絵本を5冊ずつ持ち寄って、その絵本を軸に絵本について様々脱線しつつ語りつくします。気になる昨今の絵本のことも話したいし。そりゃオレの絵本もちょっとはみて欲しいし。書き下ろし「絵本☆ラジオの歌」も弾き語るし。絵も描くし。となると2時間ではほんとは短い。打ち合わせで4時間話せたものね。終了後は藤本絵本は勿論サインさせてくださいませ。
On AIR日程は2024年11月30日土曜日。午後2時〜4時。神保町ブックハウスカフェ・1階ガリバー。入場料2000円税込。限定30名要予約。ブックハウスカフェ03-6261-6177。https://bookhousecafe.jp 千代田区神田神保町2-5-3北沢ビル1F。
※第2回は2025年1月25日(土)「めうろこ絵本の秘境」第3回は3月1日(土)「ゲスト村上康成絵本に溺れたい」